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伊東久重御所人形展

  • 2009年3月12日(木) ~ 2009年4月4日(土)
  • 10:30~18:00(最終日は17:00まで)

「ゑびす」 高さ63cm

「ゑびす」 高さ63cm

心に春を呼ぶ、御所人形と
高盛金彩絵(たかもりきんさいえ)の雅

 江戸中期より宮廷や公家の人々に愛玩され、祝事に飾られてきた御所人形。 3頭身の童形は、ふくよかな肢体と高雅な白肌が際立ち、匂やかな気韻さえ漂う。 「人形に紅をしゅっと差すと、いっぺんに血が通ったみたいに、生きた感じになるんですね」 と語るのは有職(ゆうそく)御人形司・十二世伊東久重氏。 伊東家は、明和4(1767)年に初代が後桜町天皇から名を賜って以来、朝廷の御用を代々承ってきた家柄である。

 

 氏の御所人形は、手間と時間のかかる木彫法による。 狂いがなく胡粉(ごふん)との相性がよい桐を乾燥させて用い、1年から数年がかりで完成させる。 特に胡粉は膠(にかわ)との微妙な配合により、天日に乾かしながら数十回も塗り重ね磨くことで、 特有の光と艶を湛えた純然たる白色となる。 伊東家の家訓には「当主は先祖のつくったものを修理できなくてはならない」とある。 当世はその伝統の技法を受け継ぎつつも、独自に創意工夫を加え、芸術性の高い作品を発表し続けている。

今回出品する「ゑびす」は3年の歳月をかけた大作で、紗(しゃ)に金刺繍をあしらった 京都・竹屋町の衣裳と舞のように片足を浮かせた姿が福々しい。 「人形は置きました時に、おさまりがぴたっと決まっているということも大事なんですね」と伊東氏。 和光で初の個展を開催してから25年目となる今回の展覧会では、氏にとって「今までとは違う、挑戦する一歩」となりそうだ。 江戸時代の遊びや道具を取り入れて、御所人形はより愛らしく。 そして胡粉を塗り重ねて彩色した高盛金彩絵の筥(はこ)、羽子板、小槌──さらに四季花文様をほどこした球型の新作など 出品される60余点は、雅致に富んだ春風を運んでくれることだろう。

◆会期中、会場にて伊東久重氏による作品解説を予定しております。
 3月19日(木)・26日(木) 各日ともに14時~

伊東久重(いとう・ひさしげ)

1944年 有職御人形司 伊東家の長男として京都に生まれる
 同志社大学在学中より本格的に人形制作の道に入る
1978年 有職御人形司 十二世伊東久重を継承
1984・87・89・94・97・2000・03・06年 和光にて個展
1985年 科学万博─つくば'85の日本歴史館にて個展
2000年 京都、静岡にて「十二世伊東久重御所人形の世界」展
2004年 ウィーンにて「日本の伝統の技と美・伊東久重御所人形の世界」展
2005年 福岡にて「十二世伊東久重御所人形の世界」展
2009年 佐川美術館(滋賀県守山市)にて「宮廷の雅─受け継がれし入神の技─ 十二世伊東久重御所人形の世界」展
 現在、同志社女子大学非常勤講師

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