
羅漢像 16×26×高さ54~68cm(台座を含む)
人を結び、心を映す、多彩な煌めき
何かを語りかけてくるかのような慈愛に満ちた双眸。一体一体、個性的なその表情からは、豊かな情味と不思議な懐かしさも感じられる。現代を代表するガラス作家、河上恭一郎氏による羅漢像。「アトリエ近くの古寺にある六地蔵を見ていて、沸々とわき出てきた気持ちを表現したいと思ったのです」と、にこやかに語る河上氏。折しも氏の脳裏に浮かんだのは、今から48年前に感銘を受けた、兵庫県加西市の北条五百羅漢。両者が時空を超えて結びつき、見る者の心を癒してくれるガラス像が誕生した。素朴でぬくもりのある肌合いが、光を複雑に吸収・屈折させ、神秘的な効果を醸している。
和光では4年ぶりに開催される今回の個展は、河上氏の50年にわたる創作活動の集大成と言うべき内容となる。20数体の羅漢像のほか、氏がライフワークとする、日本人の感性に合った食器・花器・茶器の数々をはじめ、色ガラスを炉で溶かして絵画のように表現する「HORIZON」シリーズ約20点も出品される予定だ。
加えて注目したいのは、河上氏のクリスタルガラス作品に、草月流家元と3名のいけばな作家が、3日ずつ交互に花を生ける共同創作。「用意したのは花器というより、いけばな作家と感性のやりとりを楽しむためのオブジェ。それぞれの表現との出合いがとても楽しみです」。こうした出合いの面白さは、食器についても同じことだという。「器を使って、どのような料理で魅了してくれるのか。そんな“感性のキャッチボール”が、刺激や励みになるのです」。喜寿を迎え、さらに円熟味を加えつつ、ますます創作意欲を高める河上氏。遊び心あふれるその世界と、心を通わせてみるのもいいだろう。
◆会期中、会場にて河上恭一郎氏によるギャラリートークを予定しております。
9月18日(土)・25日(土) 各日ともに14時~
河上恭一郎(かわかみ・きょういちろう)
| 1933年 | 市川市に生まれる | |
| 1956年 | 東京藝術大学工芸科卒業 | |
| 1956~63年 | 松下電器産業株式会社に勤務 | |
| 1963~86年 | 株式会社保谷硝子に勤務 | |
| 1987年 | 以降フリー | |
| 1965~66年 | JETRO海外デザイン研究員としてスウェーデン、フィンランドに留学 | |
| 1979年 | New Glass A World Survey展入選、作品買上げ(アメリカ・コーニンググラスミュージアム) | |
| 1979・91・ 2000・06年 | 和光ホールにて個展 | |
| 1980年 | 「現代ガラスの美・ヨーロッパと日本」に出品(東京および京都国立近代美術館) | |
| 1986年 | 「日本のガラス300年 江戸から現代まで」に出品(サントリー美術館) | |
| 1991年 | 「能登島グラスアート・ナウ」に出品(石川県能登島ガラス美術館) | |
| 1999年 | 「日本のガラス2000年 弥生から現代まで」に出品(サントリー美術館) |






















