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時計塔80年記念 文化功労者 今井政之展

  • 2012年3月13日(火) ~ 2012年3月21日(水)
  • 10:30~19:00(最終日は17:00まで)

白雲を眼下に

作品名:「円游 大皿」 径87×高さ14cm

心と技を鍛え、命の輝きを表現する

 今井政之氏が大阪から父の故郷である広島県竹原町に疎開したのは13歳のとき。瀬戸内海に面した自然豊かな地で少年時代を過ごした。海に潜り魚を追い、野山で花や鳥、虫と出会い、その生きものたちに感動した。氏の作品に描かれる生命感溢れる海の幸、山の幸は、その時の感動が基盤になっている。一昨年、石垣島に旅行した際、マングローブの森に住むヤシガニや沖縄近海で高級魚といわれているアカジンと出会った。出展作品の多くには、その時の感動から生まれた、南洋の海ならではの生きものたちの命の輝きが表現されている。

 その鳥獣虫魚、一木一草の命を表現するために、今井氏は筆の替わりに土で絵を描くことにこだわる。壺や皿に線や面でモチーフを彫り、そこに色土を嵌め込むという象嵌技法である。この技法は収縮率が土によって違っており、とてもやっかいだ。しかし、師である楠部彌弌(くすべやいち)から学んだ「芸術はあくまで創造でなければならぬ」を信条に、それまで誰も成功したことのない「面象嵌」に挑戦し見事に完成させた。まさに収縮率の違う色土が薪窯の中で一つになり、調和の取れた美の世界を創造する。それは、薪窯でないと生まれない土の命の表情でもある。その「象嵌彩窯変」が完成したのは1978年、竹原に「豊山窯」を築窯してからのこと。陶土は備前土に近い広島県内の土も使う。さらに、加飾の技法を研究し試行錯誤の末に、直接炎が当たって赤褐色に窯変する「赫窯(かくよう)」、竹原産の塩を使って焼成し黒光りさせる「炎窯(えんよう)」、前人未到の「象嵌志野」を創案した。以来、自然に囲まれた創作空間としての竹原と、陶芸家としての感性を磨いてくれた京都とを往復しながら作陶に専念、その傍ら茶の湯や禅の修行にも日々励んでいる。

 「人がしていないことをやってみよう」というのが今井氏の創作の原点。81歳でのぞむ今展においても、直径87センチ、重さ50キロの大皿「円游大皿」に挑戦する。そうした飽くなき挑戦と作品の芸術性が高く評価されて、2003年には日本藝術院会員に就任、2011年には文化功労者の顕彰を授与された。京都の陶芸家が文化功労者に選ばれたのはじつに30数年ぶりとのこと。今展覧会は、その顕彰と、和光の時計塔竣工80年を祝しての開催である。

今井政之(いまい・まさゆき)

広島県竹原市出身
1952年   文化勲章受章者・楠部彌弌に師事
1965年   日本陶磁協会賞受賞
1966年   日展会員となる
1978年   広島県竹原市に竹原豊山窯(登窯、穴窯)を築窯
1989年   国際交流基金文化講師としてペルーとアルゼンチンを訪問
    ペルー共和国クスコ美術学校客員名誉教授となる
1991年   日工会展内閣総理大臣賞受賞
1998年   日本藝術院賞受賞
2003年   広島県地域文化功労者表彰、日本藝術院会員となる
2008年   京都府文化賞特別功労賞受賞
2009年   旭日中綬章受章
2011年   日展顧問に就任、文化功労者顕彰

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