和光ホールのご案内

石田 亘・征希・知史 パート・ド・ヴェール作品展
─ やわらかな光・永遠に ─

会期
2012年9月29日(土) ~ 2012年10月9日(火)

10:30~19:00(最終日は17:00まで)

人々の心を灯し、やさしく包む硝子たち

一九世紀末の芸術運動アール・ヌーヴォーに彩りを添えた、鋳込みガラス工芸〝パート・ド・ヴェール〟。西陣織の図案家だった石田 亘氏と征希さん夫妻は、その優美な造形と質感に惹かれ、30年ほど前から独自に試作と創作を重ねてきた。現在では、ご子息の知史氏も加わり、3人で繊細で気品溢れる〝和のパート・ド・ヴェール〟を発表し続けている。
亘氏の「香華」は、〝いかに究極の色・白を美しく見せるか〟にこだわり抜いた秀作。ドーム型に吉祥の菊花文がさざ波のような律動を刻み、プラチナ彩と蓮の文様がおもてに咲き、氏ならではの気韻と静謐を清々しく匂わせている。
征希さんの「富貴」は、焼成が難しい立方型に、緻密で規則的な金彩の割付け文様をほどこした意欲作。女性らしい感性が生んだ装飾と淡い色合いに、筥(はこ)に初めて採り入れた花鳥文の牡丹が華やぎと風趣を添える。
知史氏の「光・織りなす」は、蓋物では表現できない、やわらかな光の透過と質感を生かした力作だ。若草色から青紫へと移ろう中に、微かに線刻があしらわれ、フォルムに洗練された表情をもたらす。創り出される薄い素地と細緻な表現は、まさに石田家の真骨頂であろう。さらに日本伝統工芸展で総裁賞を受賞した知史氏の光のゆらめきを表現した線刻文筥(せんこくもんはこ)シリーズが6年ぶりに登場するのも楽しみである。
和光では3年ぶりとなる本展では、〝やわらかな光で永遠に人々の心を癒し続ける作品を〟との思いから、希望や祈りを込めた筥や合子、花器、ランプ、香合、帯留などに額装作品を合わせ70余点が出品される。京都の美意識に磨かれながら、これまでの技の蓄積を昇華させ、三者三様にさらなる高みへと飛翔させた作品群に期待したい。

石田 亘(いしだ・わたる)

1938年
大阪に生まれる
1985年
ガラス工芸パート・ド・ヴェールの研究を始める
1999年
日本伝統工芸近畿展大阪府教育委員会賞受賞
2000年
日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞受賞
2003年
日本伝統工芸50周年記念「わざの美」
2006・2009年
和光にて「石田亘・征希・知史作品展」
2007年
大英博物館「CRAFTING BEAUTY IN MODERN JAPAN」
2012年
文化庁主催「日本近現代工芸の精華」(イタリア・フィレンツェ)
現在
京都府指定無形文化財「鋳込みガラス」保持者、日本工芸会正会員、京都工芸美術作家協会会員

石田征希(いしだ・せき))

1943年
大阪に生まれる
1985年
ガラス工芸パート・ド・ヴェールの研究を始める
2000年
日本伝統工芸近畿展京都新聞社賞受賞
2006・2009年
和光にて「石田亘・征希・知史作品展」
その他、06年京都・常寂光寺、08年大阪府立弥生文化博物館
2007年
日本伝統工芸近畿展日本工芸会賞受賞
2009年
伝統工芸諸工芸部会展日本工芸会賞受賞
2011年
日本伝統工芸近畿展鑑査委員
現在
日本工芸会正会員、京都工芸美術作家協会会員

石田知史(いしだ・さとし)

1972年
石田亘、征希の長男として京都に生まれる
2001年
伝統工芸第七部会展朝日新聞社賞受賞
2003年
日本伝統工芸展朝日新聞社賞受賞
2005年
日本伝統工芸近畿展京都府教育委員会教育長賞受賞
2006年
京都府文化賞奨励賞受賞、日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞
2006・2009年
和光にて「石田亘・征希・知史作品展」
2007年
京都府美術工芸新鋭選抜展工芸部門最優秀賞受賞
2011年
日本伝統工芸展鑑査委員
現在
日本工芸会正会員

◆会期中、会場にて石田 亘氏・征希さん・知史氏によるギャラリートークを予定しております。
10月4日(木)14時~

BACK TO HOME
ページトップに戻る