和光ホールのご案内

記憶のなかの宝もの

会期
2017年1月20日(金) ~ 2017年1月29日(日)

最終日は17:00まで

記憶には、心の箱から簡単に取り出せるものとそうでないものとがある。あとのほうの記憶は、大切にあるいはぞんざいに箱の中にしまわれていて、たとえば、古い写真や日記を見たり、昔なじみの人やものごととゆくりなく再会したときに突然よみがえったりする。要するに、思い出すのにきっかけとか工夫が必要なのだが、忘れていたくせに胸にじんとくるのはこちらのほうだったりするから不思議だ。
「記憶のなかの宝もの」展のテーマは、「わたしが子どもだったとき」。6人のメンバーが幼少時の記憶やエピソードをもとに制作し、舞台を6つに分けて作品を披露する約束になっている。さらに各作家が「星の王子さま」にオマージュをささげた作品も出品することになる。金工ジュエリーの山田瑞子、ガラス・オブジェの奥野美果、パステル調の抽象画を描くこぺんなな、絵本作家としても活躍する画家・堀川理万子、そして日本画のストーリーテラー・宮いつきと絹本に詩的イメージを紡ぐ山口暁子。多様な表現者の競演、ゆえにごちゃごちゃとした舞台のような情景が眼に浮かぶが、実はそれぞれが〈子ども時代の記憶〉という合言葉でしっかりと結ばれていて、ともに観客を追憶の世界へ誘おうと待ち構えている。
個々人に対するメッセージがそれぞれの作品に託されているのはいわずもがな。さらに「本当に大切なことを思い出してほしい」という世界に向けたメッセージが全体に織り込まれていて、やはりそれが舞台や劇場をイメージさせる。観衆が作品に対峙することによって子どもの頃の自分と出会い、アートがアート以上のものになる仕掛けである。さぞかし、じんとさせられることだろうと今から胸を躍らせている。

文:若林正臣(『月刊美術』編集長)


ギャラリートーク
出品作家によるギャラリートークを予定しております。
1月21日(土)14:00~ こぺんなな、山口暁子、山田瑞子
1月28日(土)14:00~ 奥野美果、堀川理万子、宮いつき

山田瑞子 やまだ・みずこ

1988年
東京藝術大学美術学部工芸科彫金卒業
1990年
東京藝術大学大学院美術研究科鍛金修了
1995年
英国Royal College of Artアーティストインレジデンス
1997~98年
英国Edinburgh College of Artアーティストインレジデンス
2005年~
多摩美術大学非常勤講師

個展、グループ展多数

奥野美果 おくの・みか

1987年
多摩美術大学デザイン科立体デザイン専修クラフトコース卒業
1994年
Gerrit Rietveld Academieガラス科卒業(オランダ政府奨学金受給)

〈受賞〉第2回現代ガラス大賞展富山2005優秀賞ほか
〈著書〉「キルンワーク」(編著)/ほるぷ出版ほか
国内外で作品所蔵、公共設置、個展、グループ展多数

こぺんなな

2008年
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業
2014年
横浜アートコンペティション天野太郎賞受賞

個展、グループ展多数
『いたずらっ子がやってきた』(さ・え・ら書房)装画・挿絵を制作

堀川理万子 ほりかわ・りまこ

1991年
東京藝術大学大学院美術研究科修了
2000年、05年、07年 
和光アートサロン
2009年
和光並木ホール
2012年
アートフェア東京出品
2014年
和光ホールにて個展

個展、グループ展多数
絵画作品発表の他、『くだものと木の実いっぱい絵本』など絵本の制作多数

宮いつき みや・いつき

1978年
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
1991年
文化庁海外派遣によりアイルランド、イギリスに滞在
2000~05年
東京藝術大学美術学部絵画科日本画非常勤講師
現在
創画会会員、多摩美術大学教授。個展多数

山口暁子 やまぐち・あきこ

1997年
東京藝術大学日本画科卒業 サロン・ド・プランタン賞受賞
1999年
東京藝術大学大学院修了 紫峰賞受賞

個展、グループ展多数
〈作品所蔵〉埼玉医科大学国際医療センター、台東区、江戸川学園、郷さくら美術館

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