和光ホールのご案内

金工の深化
-Evolution of Metal Works-

会期
2017年6月16日(金) ~ 2017年6月25日(日)

最終日は17:00まで

金工-。かつては、武士の甲冑や刀剣の装飾といった精緻な細工物から、鍋、釜、扉や家具の引手などの身近なものまで、さまざまなものが金工の技術によって生み出されてきました。今、無限の可能性がある金工に挑戦する気鋭の若手作家4人が集います。
平坦で硬質な鉄の板材を金鎚で叩き立体を形作る「鍛金(たんきん)」技法で創作する相原健作氏。着色法にもこだわり、表面を敢えて酸化させることで色を付け、防錆の役割も持つ「錆付け着色」を行います。「鍛金技法を突き詰め、行き着いたのが昆虫や植物など自然の中にある造形。金工の面白みの9割方は着色に拠ると思います。独自の色合いと形の美しさを感じていただけたら」。
2種類以上の鉄系金属を「鍛接(たんせつ)」という接合技術で圧着させ、幾層にも重ねることで模様を生む素材「ダマスカス鋼」。それに魅了され、自作したダマスカス鋼をもとに制作するのが加藤貢介氏。「経年変化を思わせる“時”を纏っているところが魅力です。今回出品する抽象的な立体を観ていただいて、さまざまな“景色”を連想してもらえたら嬉しいです」。
金沢に移り住み、創作を続ける坂井直樹氏は当地の文化を吸収し、茶釜や鉄瓶、花器を手掛け、鉄を素材とした作品で茶道に通じる新しい世界観を展開しています。「例えば、現代の空間でもお茶をやりたいと思えばすぐにできるような、“人に寄り添えるもの”を作りたいと考えています。手の技で、鉄の温かみやモダンな軽味、そして“錆び”の持つノスタルジーを作品に反映できればと願っています」。
江戸から明治時代にかけて発展した金属工芸品「自在置物」を手掛ける満田晴穂氏。伝統的な彫金技法で昆虫や甲殻類を原寸大で制作しています。「リアリティーを大事にしていて、いずれも脚や胴体、顎、翅といったほぼすべての箇所が本物と同じように動きます。“風前の灯火”だった自在置物の技術を後世に残したい、という気持ちを強く持っています」。
硬質な金属から生み出される直線美や曲線美、味わい深い色合いを感じ、四人の個性を堪能してください。


出品作家4名と唐澤昌宏氏(東京国立近代美術館工芸課長)によるギャラリートークを予定しております。
6月17日(土) 14:00~

相原健作(あいはら・けんさく)

1969年
東京都生まれ
2002年
東京藝術大学鍛金研究室大学院研究生修了
2005年
文化庁国内研修員
2009年
桜の森彫刻コンクール優秀賞受賞、作品設置
淡水翁賞最優秀賞受賞、作品収蔵
2012年
日本現代工芸美術展本会員賞受賞
2015年
「菊池寛実賞 工芸の現在」出品作家に選出(菊池寛実記念 智美術館)
現在
東京藝術大学特任研究員、女子美術大学非常勤講師

加藤貢介(かとう・こうすけ)

1988年
神奈川県生まれ
2010年
玉川大学芸術学部ビジュアル・アーツ学科卒業
2013年
広島市立大学大学院修了
2013~15年
広島市立大学非常勤助教
2015年
神奈川県綾瀬市にアトリエを構える

フィラデルフィア美術館(アメリカ)にて、パブリックコレクションとして収蔵されている

坂井直樹(さかい・なおき)

1973年
群馬県に生まれる
2003年
東京藝術大学大学院博士後期課程鍛金研究室修了、博士学位取得
2003~05年
同大学にて非常勤講師
2005~08年
金沢卯辰山工芸工房にて研修
2010~12年
金沢大学非常勤講師
2011~12年
金沢美術工芸大学非常勤講師
2013年~
金沢卯辰山工芸工房専門員
現在
金沢市内にて制作活動を行う

満田晴穂(みつた・はるお)

1980年
鳥取県生まれ、千葉県育ち
2008年
東京藝術大学美術研究科修士課程彫金研究室修了
2013年
「六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト」(森美術館・東京都)
2016年
「蜘蛛の糸」(豊田市美術館・愛知県) 「今様 IMAYŌ : JAPAN’S NEW TRADITIONISTS」(ホノルル美術館・アメリカ)に出品
2017年
平成 28 年度日本文化藝術奨学金において第 8 回創造する伝統賞受賞
現在
都内にて制作中
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