お問い合わせ受付時間:
10:30~19:00
休業日:
年末年始などの休業日は随時ホームページにてご案内いたします。
京都・一乗寺の里、詩仙堂の近くにある石田家。苔むす岩と花々、木々の緑の庭は全て亘さんが心を込めて作り上げたもの。主の心のあり様が十分に表現されています。
この工房で生み出される「パート・ド・ヴェール」と呼ばれる技法は、古代メソポタミアを起源とする古代ガラス技法の一つです。粉ガラスを石膏型に詰めて窯で焼成するこの技法は、細やかな気泡を含む柔らかな質感が特徴ですが、現在では作り手は少なく、世界で注目されています。亘さんは京都府指定無形文化財保持者に認定され、その技法は伝統工芸「鋳込み硝子」と呼ばれています。「今回は傘寿記念展ということで、西陣で図案家として培ってきた美意識を活かして、私にしかできない作品を目指しています。これが私にとっての日本、ジャポンなのです」。一つひとつ丁寧に話してくださった亘さんです。
奥様の征希さんの作品は常に優雅。美しくたおやかな作風が、見る人の心さえもひとときしなやかにしてくれます。
工芸作家としてご両親の道をご自分なりに歩み続けるご長男の知史さん。若い頃見た旅への憧れは、久方ぶりに再び知史さんを西へと誘います。イスラムブルーを求めて出た先は、初めてのモロッコ。旅で見たものを吸収し、創作の世界をより豊かに仕上げられました。「両親からの技の継承を大切に、自分なりの感動を形にできたらと思っています」と語ります。
今回から8年前にご結婚なさった奥様のちさとさんも加わり、家族四人での初めての展覧会となります。元々陶芸家であったちさとさんの新しい発想からの作品群も加わり、石田家の作品の数々は、力強くそして、たおやかにご一家の未来を見つめています。
石田家の歴史を語る作品100余点との邂逅、どうぞ銀座までお運びください。
![]() |
石田 亘作 |
---|---|
![]() |
石田征希作 |
![]() |
石田知史作 |
![]() |
石田ちさと作 |
1938年亘、1943年征希大阪に生まれる。染織図案家から夫婦ともにガラス工芸・パート・ド・ヴェール作家に転身。亘は2009年京都府指定無形文化財保持者「鋳込み硝子」に認定。1972年知史京都に生まれる。2006年日本伝統工芸展総裁賞受賞など受賞多数。1976年ちさと京都に生まれる。2010年知史と結婚後陶芸家からガラス作家に転身。