和光ホールのご案内

松原 賢
-日 月 空 海 図-

会期
2019年2月27日(水) ~ 2019年3月5日(火)

最終日は17:00まで

井上 三綱 さんこう といっても、いまでは知らない人が多いかも知れない。美術評論家のエリーゼ・グリリーに現代の日本において独創的な絵画を制作する数少ない画家の1人と絶賛され、彫刻家のイサム・ノグチや画家のベン・シャーンに高く評価され、国際的に活躍した画家である。松原賢さんは、井上の晩年の愛弟子である。
松原さんは、子供の頃から独学で絵を描いてきたが、25歳の時に井上と出会い「自分の直感を信じなさい。既成の概念に捕らわれてはいけない」という師の言葉によって、画家としての人生を決意する。30代半ばから「音」をテーマに抽象作品を制作してきたが、2011年より林屋晴三さんの依頼によって、床掛け制作のため山や渓谷、川や海を描くようになり、心象と実感が一致した「景」が誕生した。また、富士山をヘリコプターで取材した時、自然の風景は水が創っていると実感し、湖水の水面に現れる大気の響きを表現した「水景」が生まれた。それは、目には見えない天地の気韻を表現した松原独自の世界である。
今展には、これまでの画業の集大成ともいうべき、高雄山神護寺本坊書院障壁のために制作された「日月空海図」が展示される。画家が室戸岬の御厨人窟で体験した空海の風景である。そこには、果てしない空と海、輝く日輪と月輪、その光の波動、宇宙空間を埋める粒子(円)などが描かれている。その創造のリズムこそ、松原作品に込められた最大の魅力である。


文=森 孝一(美術評論家)


美術評論家・森 孝一さんを迎え、松原 賢さんのギャラリートークを予定しております。
3月2日(土)14:00~
◎ギャラリートーク後に、雅楽演奏をお楽しみいただけます。

松原 賢(まつばら・けん)

1948年
富山県上市町に生まれる
1973年
独立美術(東京都美術館)
1976年
井上三綱に師事
1977年
第一美術展 第一美術賞受賞(東京都美術館)
1987年
上野の森美術館絵画大賞展 特別優秀賞受賞(上野の森美術館)
1988年
日本現代陶彫展マケット展 陶彫展賞受賞(土岐市文化プラザ)、日本現代陶彫展 優秀賞受賞(土岐市文化プラザ)
1990年
「次代をになう作家展」(箱根彫刻の森美術館)
1991年
「'91富山の美術」(富山県立近代美術館)
2001年
「栃木県美術の二十世紀Ⅱ千年の扉」(栃木県立美術館)、 「とやま現代作家シリーズこころの原風景」(富山県立近代美術館)
2006年
「松原 賢展」(エスパス・ベルタン・ポワレ ギャラリー/パリ・フランス)、「松原 賢展」(TKW20ギャラリー/ケルン・ドイツ)
2008年
「松原 賢 -生々流転」(太閤山ふるさとギャラリー/富山県)
2011年
林屋晴三氏より茶会の床掛けを1年間(6席)依頼され、水音をテーマに制作。そのほか、全国各地で個展・グループ展。
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