展覧会のご案内

工芸・Kôgeiの創造
-人間国宝展-

会期
2019年4月5日(金) ~ 2019年4月21日(日)

最終日は17:00まで

セイコーハウス銀座 6階
セイコーハウス銀座ホール

日本の「工芸」には、作家の工芸と職人の工芸があり、作品としての工芸と製品としての工芸がある。言葉を換えれば、工芸には作家がつくり出した「作品」と、職人がつくり出した「製品」があるということである。日本の工芸はこれらの両立で成り立ち、独自の発展を遂げてきた。その背景には、つくり手が素材や技法としっかり向き合い、それらに根ざした制作の姿勢がある。つくり手が素材を選ぶということは、陶芸ならば土、金工ならば金属というように、作品や製品をつくり出す前から決まっており、作品や製品のイメージやアイディアを考える時には、すでに素材が存在しているということである。要するに、とくに日本の工芸では、つくり手が扱う素材は、イメージやアイディアを形にするさまざまな素材の中の一つではなく、作品や製品を生み出すための唯一無二の存在として扱われているのである。
ところが、今日の美術界を眺めてみると、素材という確かな物質から離れたところで表現活動が行われ、物質性が希薄になっているような気がする。近年、日本の工芸が欧米を中心に注目を集めて大きく取り上げられる背景には、素材が導く形や質感など、物質としての存在が、しっかりと表現の中に盛り込まれていることがあげられよう。確固たる素材から生み出された作品そのもので存在価値を問う日本の工芸は、物に潜む本質を探究しているともいえる。
本展の出品作家は、日本の工芸の中でも「伝統工芸」という一つの特徴ある分野で活動する担い手の最たる方々である。伝統工芸は、単に古い物を受け継いだ伝承ではなく、それには、精神的にも、作品的にも、つくり手なりに何かをプラスする創作性や創造性、さらには革新性が大きく含まれており、生み出される作品には新しく独自性を盛り込みたいという作家の想いが強く映し出されている。 現在 いま はグローバルな時代である。まさに「旬」の作品を観ることによって、日本の文化としての伝統工芸の存在意義をあらためて感じることになるのである。  文:唐澤昌弘(東京国立近代美術館工芸課長)


ギャラリートーク
出品作家によるギャラリートークを予定しております(各日 14:00~)。
4月6日(土)小宮康正さん(染織)
7日(日)中川 衛さん(金工)
13日(土)𠮷田美統さん(陶芸)
14日(日)藤沼 昇さん(木竹工)
20日(土)小森邦衞さん(漆芸)

出品作家一覧(敬称略・分野別五十音順)


陶芸
伊勢﨑 淳(いせざき・じゅん) 備前焼
伊藤赤水(いとう・せきすい) 無名異焼
井上萬二(いのうえ・まんじ) 白磁
今泉今右衛門(いまいずみ・いまえもん) 色絵磁器
加藤孝造(かとう・こうぞう) 瀬戸黒
鈴木 藏(すずき・おさむ) 志野
原 清(はら・きよし) 鉄釉陶器
福島善三(ふくしま・ぜんぞう) 小石原焼
前田昭博(まえた・あきひろ) 白磁
𠮷田美統(よした・みのり) 釉裏金彩


染織
小宮康正(こみや・やすまさ) 江戸小紋
佐々木苑子(ささき・そのこ) 紬織
志村ふくみ(しむら・ふくみ) 紬織
鈴田滋人(すずた・しげと) 木版摺更紗
平良敏子(たいら・としこ) 芭蕉布
土屋順紀(つちや・よしのり) 紋紗
福田喜重(ふくだ・きじゅう) 刺繍
村上良子(むらかみ・りょうこ) 紬織


漆芸
太田 儔(おおた・ひとし) 蒟醤(きんま)
大西 勲(おおにし・いさお) 髹漆
北村昭斎(きたむら・しょうさい) 螺鈿
小森邦衞(こもり・くにえ) 髹漆
中野孝一(なかの・こういち) 蒔絵
前 史雄(まえ・ふみお) 沈金
増村紀一郎(ますむら・きいちろう) 髹漆
室瀬和美(むろせ・かずみ) 蒔絵
山岸一男(やまぎし・かずお) 沈金
山下義人(やました・よしと) 蒟醬


金工
魚住為楽(うおずみ・いらく) 銅鑼
大角幸枝(おおすみ・ゆきえ) 鍛金
奥山峰石(おくやま・ほうせき) 鍛金
玉川宣夫(たまがわ・のりお) 鍛金
中川 衛(なかがわ・まもる) 彫金
山本 晃(やまもと・あきら) 彫金


木竹工
勝城蒼鳳(かつしろ・そうほう) 竹工芸
川北良造(かわぎた・りょうぞう) 木工芸
須田賢司(すだ・けんじ) 木工芸
藤沼 昇(ふじぬま・のぼる) 竹工芸
村山 明(むらやま・あきら) 木工芸


人形
林 駒夫(はやし・こまお) 桐塑人形

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