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◎薄田東仙さんによるギャラリートークは、予約制とさせていただきます。
ご予約は美術部にて承ります。(03)3562-2111(代表)
7月19日(日) 14:00~
「刻字」という芸術のジャンルをご存知でしょうか。書いた文字を造形的な形として捉え、それを板に刻み、彫ることでレリーフ状の立体作品として表現します。それに色を着けたり、金箔をほどこしたりするもので、書の一つの分野として確立されています。
このたび、和光では日本刻字協会会長でもある薄田東仙さんの初めての個展を開催します。薄田さんは、東京で過ごした大学時代に、青山杉雨さん、長揚石さんに師事し、書と刻字に夢中になりました。「自分で書いたものを自分で彫り上げる。まるで我が子を生み出すようで、とても嬉しくて」と振り返ります。「書いた文字を彫ることによって、より印象深いものになると思うのです」と刻字の魅力を語ります。
今展では「人々の歓喜」をテーマに据えています。なかでも大作の「PEOPLE 2020 A」は、海外で旺盛な活動を行なっている薄田さんが、ここ10年ほど取り組んでいるシリーズの新作。「海外の人にも伝わる作品を作りたいと考え、中国の象形文字『トンパ文字』の“人”からヒントを得たものです。両手を掲げた人をたくさん描くことで、みんなで一緒にやろうよ! みんなで楽しもうよ! という気持ちを表現しました」。
今回は、文字を立体的に表現した作品や、刻字と書を組み合わせた作品など約40点の展観となります。夏の和光ホールで作品と向き合い、“刻字”という新しい扉を開けてください。
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「鑑賞する人に、大勢の人たちが頑張っているとか、喜んでいるとか自由に思っていただければ」と薄田さんはおっしゃいます。 「PEOPLE 2020 A」(37.2×206㎝) |
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「『一つの鑿(のみ)の痕でも千の魂が宿る』。どんな小さなことでも自分の想いが届くよう精魂を込めて取り組んでいます」と薄田さん。 「一鑿千魂(いっさくせんこん)」(90×65㎝) |
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篆書体の「華」という文字を5本束ねて「花束」としました。百合の花をイメージしていて、先端部分が垂れています。 「花束A」(35×35㎝) |
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躍動感に溢れる3人が彫りによって表現されていて、そのうえに、鮮やかな金箔や赤、背景には緑色がほどこされています。 「2020 People A」(35×35㎝) |
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よく手入れされた鑿(のみ)や筆。薄田さんの作品はこの道具から生み出されます。新潟市にある延命寺の住職でもある薄田さんは毎夜、4、5時間を制作に充てています。 |
1948年 | 新潟市に生まれる |
1967年 | 青山杉雨、長揚石に師事 |
2006年~ | 日本刻字協会会長、国際刻字聯盟会長、千歳会代表 |
2007年~ | 曹洞宗延命寺住職 |
2009年 | 毎日書道会書道顕彰 |
2009年~ | 全日本書道連盟理事 |
2011年 | 第30回日本刻字展 文部科学大臣賞受賞、文化庁より文化交流使に指名、新潟県文化功労賞受賞 |
2014~20年 | 毎日書道会監事 |
2020年~ | 毎日書道会理事 |