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用の美を極めた
京焼・叶 松谷の雅な器
開窯百年を超える京焼の名窯「松谷」。現当主である三代目・叶 松谷さんの展覧会を作陶五十年、襲名二十周年という節目の年に開催いたします。
叶さんが手掛ける雅やかな作品は、名だたる料亭や旅館で食器として長く使われていることで知られています。それは美しいからというだけではありません。
「盛り付けやすい、運びやすい、洗いやすい、しまいやすい、割れにくい、飽きがこない、そして美しい器を作りたい」と心に刻んで作っているからなのです。
そして、こう続けられました。
「おかげ様で、京都には昔からのいいものがたくさん残っていますし、いいものを知っている方も多くいらっしゃいます。そういう”土地の力”にも助けてもらっていると感謝しています」。
松谷窯の作品は色絵や染付といった伝統は受け継いでいますが、形や大きさは時代とともに変遷しています。
「日本の食卓の風景は変貌し続けています。例えば今は、和食とフレンチ、和食と中華料理など、さまざまな国の料理が同時に食卓に載ります。また、以前は少ない種類を多く盛り付けていましたが、今は多くの種類を少しずつという具合になりました。今様に応じて作った器を使って、家庭での食事の時間をより豊かなものにしていただけたらと願っています」。
今展では五色のシリーズや「彩瓔珞」、干支のぐい呑など、多彩な展覧となります。高い技術によって生み出される、洗練された美しさを宿す京焼をご堪能いただける展覧会です。
ギャラリートークを予定しております。
◎お席のご予約を承っております。
12月12日(土)叶 松谷さん、東京𠮷兆・湯木俊治さん
13日(日)叶 松谷さん
各日 14:00~
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「五大陸をつなぐ」というイメージで、青、黄、赤、緑、黒の五色の器を作りました。青、黄、赤の器は「和」、緑、黒は「洋」のイメージです。五色の器それぞれに多彩なラインアップで、一人用や二人用でご用意しています。 (手前から時計回りに) |
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優美で、どこかエキゾチックな香りがするシリーズです。「実は発想の源は、シルクロードを伝わって日本に入ってきた正倉院の所蔵品なのです」と叶さんはおっしゃいます。 (左・上から) |
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雲鶴を銀で格調高く描いた蓋物は、器の内側も、蓋の内側も、すべてが黒。「中まで黒というのは、ありそうでなかなかないもの。料理が映える器ですから、何を入れていただけるか、作り手としても楽しみです」と叶さん 「黒地銀彩雲鶴蓋物」 |
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ファンが多い、干支ぐい呑が勢揃いする貴重な機会です。「2021年の”丑”は、闘牛をモチーフにしました。新型コロナウイルスの退散を願ってのことです」とおっしゃいます。 「干支ぐい呑」 |
1948年 | 京都府に生まれる |
1971年 | 京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻卒業 |
1974年 | 第4回バロリス国際陶芸展(フランス) グランプリ名誉大賞受賞 |
1990・1998年 | 日展 特選受賞 |
2000年 | 三代目松谷襲名 |
2007年 | 日展 会員賞受賞 |
2011年 | 日本新工芸展 内閣総理大臣賞受賞 |
2015年 | 京都府文化賞功労賞受賞 |
現在 | 京都伝統陶芸家協会理事、日展特別会員、日本新工芸家連盟副理事長、京都工芸美術作家協会監事、日展・日本新工芸展など審査員、元京都市立芸術大学教授、京都府京都市東山区在住 |