展覧会のご案内
第5回 美の魁け
―日展の現代(いま)―
- 会期
- 2021年10月28日(木) ~ 2021年11月7日(日)
10:30~19:00(最終日は17:00まで)
セイコーハウス銀座 6階
セイコーハウス銀座ホール
日展は、明治四十(一九〇七)年に開催された「文展」を礎として、時代の流れに沿って多様な変革を重ねながら、常に美術界をリードし続ける伝統ある総合美術展です。
日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の五部門から成り、今秋、東京・六本木の国立新美術館で開催される「日展」でも全国の作家がこの厳しい状況下で情熱を傾け、取り組んだ渾身の新作が一堂に会します。
それに先立ち、日展を代表する作家たちの作品を展覧する「第5回 美の魁け─日展の現代(いま)─」を、今年も和光で開催いたします。初回から引き続き、日展の顧問、理事、監事からの出品のほか、昨年より大臣賞を受賞された作家の作品も展示され、より華やかな会場となります。今展では、ご家庭で飾っていただきやすい小作品を展示いたします。本展に出品される迫力ある大作との対比も感じていただけることでしょう。
今回「幸福を呼ぶ梟」を出品される、日展理事長の奥田小由女さんは「コロナ禍のことがあり、世の中全体が大変な時にもかかわらず、日展を開催できることはありがたいことです。今展も節目の五回目を迎えられて感慨深いです。このような時だからこそ、美術で心を癒していただけたらと願っています」とおっしゃいます。「それぞれの作家が、『次はもっといいものを作りたい』という思いを胸に日々、精進しています。五部門の作品が同一会場に集う機会は珍しいので、ぜひそれぞれの個性を存分に味わってください」。
秋深まる頃、心奪われる作品との出合いをお楽しみください。
撮影:大塚敏幸
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工芸美術(陶)
大樋年朗
「大樋飴釉茶盌」
(径12.4×高さ8.8㎝)
大樋本来の手捻りの手法で赤楽としての土を用いて、上から飴釉を二重掛けした珍しい茶盌。93歳を迎えた意気込みをこの茶盌に託してみました。
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彫刻
能島征二
「聖家族」
(24×23×高さ40㎝)
この作品は改組 新 第7回日展出品作の小品ブロンズである。ここ2年間コロナ禍の世になり、生活が制限された今こそ「人と自然の共生」を願い、大自然の「愛」に生かされる人間像を表現したい。その原点は、家族である。父、母、子の三人の座像の一体感を思索して制作した。
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工芸美術(人形)
奥田小由女
「幸福を呼ぶ」
(ケース:26.5×27×高さ60㎝)
世界中が巻きこまれたコロナ禍の時代、必ず明けて来る時を夢みて、幸福を呼んで来る白い梟に願いを込めて制作しました。白い梟は金箔や金泥を使い、その上から胡粉を塗り、仕上げました。世界が平和でありますように――。
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洋画
中山忠彦
「真珠の耳かざり」
(4号F)
ルネッサンス時代の肖像画には、モナ・リザのような正面像もあるが、ポッライオーロに代表される横顔の傑作が多く残されている。顔の半面で立体を見せねばならないので、画家の力量も問われるが、見えない半面を想像する楽しさも加わるので興味は倍増することも確かである。
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日本画
福田千惠
「半分は野蔌」
(8号変形)
未だコロナ禍が収まらず、何よりも日常の健康管理が大切です。その中でも野菜を食べることは病気に対し抵抗力をつけ、感染症から体を守ってくれると思います。「ぜひ主食とともに野菜を召し上がれ」と思う気持ちをウサギに託しました。そんな私は野菜が苦手です。
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書
髙木聖雨
「不則聲」
(36.5×50㎝)
古代文字に現代性を。更に用具 用材を工夫しました。絹本に絵具を用いて揮毫、紙では表せない線質、墨色も墨では表現できない色合いが出せた作品。伝統に新たな息吹も追求しなくてはと思っております。