和光ウェブマガジン

INDEX 25

2022.1.24

  • 銀座の街

  • # 時計塔90年

  • # チャイム

  • # 時計塔のメンテナンス

銀座のシンボルを、長きにわたり守り続けて

90歳になった時計塔のヒミツ

1932年にネオ・ルネッサンス様式の優雅な姿で再建された、和光の時計塔。90年もの間、銀座の街に時を伝えてきました。
和光には、“銀座の中心で、時を刻み続けること”に対する、連綿とした想いがあります。2022年に90年を迎える現在の時計塔。
今回はこの特集のために、半年に一度の外壁調査と、毎月行われている時計塔の保守点検に、
カメラを伴う潜入取材を行いました。
長きにわたり、銀座で一度も絶えることなく時を告げてきた時計塔のヒミツとは――。

みなさん、これは一体
なんだと思いますか?

時計塔の3階部分にある、かつて実際に使われていた鐘の写真

時計塔の3階部分にある、かつて実際に使われていた鐘です。円盤とパイプでできた発⾳機を使って鳴らしていました。

青天にそびえる時計塔の内部は
どうなっているのでしょうか

時計塔のメンテナンスはセイコーホールディングスグループの事業会社であるセイコータイムクリエーション株式会社に委託。毎⽉の点検は2⼈⼀組で作業に臨みます。そのうちの⼀⼈がこの道30余年の技術者の⽶桝隆之。27歳のときからこの業務に従事しています。担当し始めた当時は、「何かあったらどうしよう」という不安しかなかったようですが、いまでは“時計塔を⾃分が守っている”という使命感を抱くように。そんなベテランの⽶桝をして、銀座の中心にある時計塔に⼊る瞬間は、やはり⾝が引き締まるといいます。

時計塔のメンテナンス 写真1

時計塔の内部は3階建てになっています。以前はらせん階段で上まで上れたのですが、耐震補強のダンパーを付けてからは梯⼦で上るようになりました。⼈が⼀⼈ようやく通れるスペースなので、点検作業で使用する工具が入ったツールボックスは紐で吊り上げます。これまで国内各地のランドマークとなる時計塔などのメンテナンスに携わってきた⽶桝にとっても、この時計塔の点検は特殊だといいます。特注品ならではのマニュアル化されていない部分や機械のクセを、技術⼒と経験値でカバーしているのです。なお、冒頭でご紹介した鐘は、時計塔の3階にあります。1954年6⽉10⽇「時の記念⽇」から、ウエストミンスター式チャイムの⾳が鳴り響くようになり、いまでは時計塔が発するチャイムの⾳はレコーダー内の⾳源データを使⽤しています。

時計塔のメンテナンス 写真2

Column

2022年は時計塔90年を記念した
限定品も続々とお目見え

和光本館をモチーフにしたリモージュボックス。正面には「90th Anniversary」の文字が。内側には初代時計塔が描かれています。そこには、和光のショッパーとギフトのミニオブジェが入っています。他方、ミラノのブランド、ディエッフェ・キンロックとコラボしたハンカチーフには、来るダイバーシティ時代の銀座を表現した、多様な人種や職種の人々や動物が共存しているイラストが描かれています。47×47cmと比較的大判サイズです。

リモージュボックス 税込¥45,100(本館地階)

リモージュボックス 税込¥45,100(本館地階)
◎2月24日(木)発売予定

ハンカチーフ 各 税込¥3,190(本館3階)

ハンカチーフ 各 税込¥3,300(本館3階)
◎4月下旬発売予定

時計塔を正確に動かしていたのは、
地下の親時計でした

時計塔は本館の地下2階にある親時計装置で制御されています。それは、1号機(GPS電波修正⽅式)と2号機(光テレホンJJY⽅式)、共通部で構成されており、1号機の精度は、±0.001秒以内の誤差とたいへん⾼精度です。これは電波法で正確な時計を設置することを義務付けられている放送局と同レベル。しかも、毎⽇午前3時に屋上のGPS受信機がGPS衛星から時刻情報を取得し、較正を⾏います。その正確な基準信号を変換し、屋上の時計塔 へと送っているのです。2号機は、1号機に有事があった際のバックアップの役割を担います。

時計塔のメンテナンス 写真4

熟練の技術者ならではの阿吽の呼吸でお互いに声を掛け合い、点検は進みます。ここでの点検項目は、配線・コネクター部の接続確認、清掃、モーターの出力や時刻の自動較正の確認など、約200項目と多岐にわたっています。万一のトラブルを想定し、わざと異常警報を鳴らして、きちんと発動するかどうかも確かめます。また、季節や曜日によって変わる、照明などを制御するプログラムタイマーの動作確認も重要な点検項目のひとつ。

時計塔のメンテナンス 写真5

停電対策も入念に行われます。停電時は、自家発電装置から一定時間電源が供給されますが、自家発電装置からの電源供給が停止した場合は、時計専用の蓄電池(バッテリー装置)に切り替わります。その蓄電池は、自家発電装置が停まってから数時間は電力を供給します。なお、蓄電池は5年ごとに交換。このような幾重にも及ぶバックアップ体制は、「毎日欠かすことなく正確な時を刻む時計を決して止めることはできないと思っています」という米桝の言葉とも合致し、銀座の時を守り続けるという矜持を具現しています。

時計塔のメンテナンス 写真6

時計塔外壁の点検は、深夜の銀座で
入念に行われます

昼間の喧騒からは想像もつかない静けさの中で外壁の点検作業は始まります。こちらの作業は、建物の大規模改修を得意とする清水建設株式会社が担います。作業⽤のゴンドラを設置し、ウィンチでゴンドラを吊り上げます。最上部まで到達すると、ヘッドライトが照らす箇所を打診棒で外壁を⼀定のリズムで叩いていきます。この作業は5〜6名が1チームで⾏いますが、打診の際の感覚を保つために、毎回ほぼ同じスタッフが同じ場所を担当するといいます。万成⽯と呼ばれる⾼級な材質を⽤い、昭和初期につくられた細⼯や飾りは繊細な箇所も多く、⼊念な点検が⽋かせません。

時計塔のメンテナンス 写真6

異⾳があればその箇所を図⾯に残します。特に気を遣うのが交差点に⾯した南側の外壁。「銀座の顔であり、東京の顔である建物ですから、⼩さな異常すら⾒逃してはいけません」と清⽔建設株式会社 現場監督の川口修司さん。異⾳が発⾒されると、技術部と協議のうえ、特殊な薬を注⼊して“浮き”を抑えます。2008年には⾜場を組み、⼤規模改修を⾏っています。耐震改修をすることで、地震から受ける影響は最⼩限に。外壁の点検作業は半年に1回⾏われ、それぞれ5⽇間かけて進められます。

時計塔のメンテナンス 写真7

PROFILE

セイコータイムクリエーション株式会社 和光 時計塔担当 米桝隆之
セイコータイムクリエーション株式会社 
和光 時計塔担当
米桝隆之

27歳より和光 時計塔の担当に。主に公共施設などで正確な時刻管理に用いられる設備時計のスペシャリスト。待ち合わせ場所として有名なからくり時計などのメンテナンスも手掛ける。「⻑い歴史のなかで、⾃分がこの作業の⼀端を担うことに誇りを感じます。それと同時に、確かな技術を次世代に継承していきたいです」

清水建設 東京支店 建築第一部 銀座工事事務所 所長 川口修司さん
清水建設株式会社 東京支店 建築第一部
銀座工事事務所 所長
川口修司 さん

和光の担当になり25年。外壁修繕や大規模改修などを担当。約40年前から続けているこの調査を引き継いで行っている。「銀座の象徴で空襲にも耐えたこの建物を守るという仕事を誇りに思っています。先輩たちから継承したことをこれから後輩たちに引き継いでいきたいです」

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