和光で体験

和光には美術館さながらのスペースがあるのをご存じでしょうか。
お買物を楽しんでいただくだけでなく、日本の美術工芸の価値を知っていただき、
時代とともに育まれてきた日本文化をより身近に感じていただける機会をご提供したいと和光はいつも考えています。
銀座の中心で驚くべき宝物に出合う。そんな体験が叶う場所へとご案内しましょう。

「和光ホール」の始まりは?

社員食堂から、文化発信の責任を担ったホールへ

展覧会が本館6階、今の和光ホールで始まったのは1970年11月7日のこと。「和光美術展・工芸彫塑の部」を皮切りにスタートしました。それ以前のこの場所はじつは和光の前身である服部時計店の社員食堂でした。しかし銀座の中央にある店として日本の美術工芸を中心とする文化を発信して後世につないでいこうと考え、1970年に社員食堂だったスペースを美術展などの会場として活用することにしたのです。
戦前から2階で当時の服部時計店の社長・服部玄三が「和光会」と名付けた展覧会が開かれていました。記録によればこの「和光会」は1934年から1940年まで開催。美術工芸作家の新作展覧会で、鋳金作家の高村豊周さんや香取秀真さん、洋画家の和田英作さんをはじめとする工芸美術界の中心的作家が参加しています。また展覧会とは別に、室内用品を扱うフロアでは作家ものの美術工芸品も扱い、ほかにはない贈答品として重宝。現在のように他のフロアと連動して美術工芸を広めていくスタイルは初期からのものでした。その後1962年からの10年間は「和光美術展」と名を変え、工芸彫塑の部、絵画の部の2本立てで日本の美術工芸を紹介する展覧会を開催。こうした輝かしい歴史と文化を継承する責任を脈々と受け継いでいるのが、今の和光ホールです。

作家たちとの真剣勝負!

作家と和光が共創する名物展覧会の数々

「どの展覧会も必ず和光が企画者として参画し、作家と和光が共同で作り上げていく。それが以前の時代より変わらないポリシーです。」美術展の担当者は、和光ホールの展覧会ならではの特徴をこう語ります。「共同作業で作り上げていくため1つの展覧会にかかる準備期間は平均3~4年。当代一流の作家との共同作業は常に真剣勝負。作家と理解し合うためには、我々にも本物を見る目を養う精進や勉強が日々求められ、共同作業中は緊張の連続。でもこのように時間をかけてじっくりと築き上げる作家との信頼関係が、ほかでは体験いただけないような和光ならではの展覧会実現の土台になっているのです」。また和光にはデザインを担当するチームもあるため、会場作りにおいて作家と共同作業ができるのも和光ホールの強み。
企画から会場作りまで作家と相対しながら作り上げる和光ホールの展覧会。取り上げるジャンルは工芸に絵画、写真や書道など多彩です。代表的なものに初期の「陶芸秀作展」(1974~87年)や、絵画の「和の会」(1977~2001年)と「光の会」(1996~2010年)。工芸における人間国宝の作家たちが集う「工芸・kôgeiの創造―人間国宝展―」(2015年~)は大きな話題に。近年企画された「融合する工芸」(2014年第1回)では、異なる分野で活躍する気鋭の若手工芸作家が交流し、異分野コラボレーションにより“伝統の今”を表現。工芸を未来につなげる入口として作り上げた意欲的な展覧会です。

お話をうかがったのは..

真田 伸子 株式会社 和光 商品部美術 部長

以前は広報部に在籍経験があり、現在は和光ホールで開催される数多くの展覧会に携わっている。さまざまなジャンルの作家との親交も深い。

あの作家と出会える、
触れ合える

作家とコミュニケーションできる和光ホール

東京の中心の銀座4丁目にあり駅に直結と、ほかにはない立地で美術品を鑑賞できる和光ホール。しかもさまざまな方向からご覧いただけるよう、作品は可能な限りショーケースに入れません。ごく近くで作品と相対することができ、場合によっては作品に手で触れられたり、作家と会話できる貴重な機会もあります。
とても刺激的な体験の場である和光ホール。人間国宝・井上萬二さんはこのホールで1977年から毎年、通算44回もの個展を開催するという偉業を重ねてきました。「私は全国いろいろな場所で個展を開催していますが毎年欠かさずというのは和光だけです。常に新しい作品を生み出していかねばならない個展を毎年開催するのは作家にとって至難のこと。特に和光のように開放的なスタイルで作品を展示し、しかも毎年となるとお客様の記憶も鮮明ですから……。それでも続けてきたのは和光ホールでの個展を勉強の場、精進の場と捉えているから。44年間毎年の開催により、新しい作品を生むために必要な技術だけでなく、想像力、センスを鍛え、培ってきました」。そして1階ショーウインドウの西側の一部は、和光ホールで開催中の展覧会と連動。出展作家の作品が飾られているためにそこは道行く人にとって和光ホールで出合う刺激的体験の入口となっています。それと同時に作家にとっても作品そのものでより多くの人にアピールできる場。観る側と作家が双方向で文化的コミュニケーションを楽しめる“和光ならではの体験”がここにもあります。

お話をうかがったのは..

井上 萬二 陶芸家

1929年佐賀県有田町生まれ。白磁の第一人者として90歳を超えた今も現役で創作活動を続けている。轆轤成形の名手として知られ、1995年重要無形文化財「白磁」保持者(人間国宝)に認定される。

和光ホールで現在開催中の展覧会

-ReBorn21-

雲龍庵と希龍舎-ReBorn21-

会期
2021年10月14日(木) ~ 2021年10月24日(日)

人の目で見える限界に挑んだかのような、息をのむほど精緻でゆるぎない完成度を誇る漆工の数々。 独自に蘇らせた古典漆工技法を駆使して、細部にこそこだわり抜いた意匠と技の粋を集約した唯一無二の仕事で知られる、雲龍庵 北村辰夫さんの作品。 北村さんの尽きることのない探求心と洗練された美意識から生み出される印籠や根付には、江戸、明治期の芳醇な漆工文化を引き継いだ新たな再構成の妙に現代性が感じられ、夙(つと)に国内外のコレクターから、高い評価を受けています。 「お客様は、見たことのないもの、予想を超えたものを常に求めています。技が美を創り、そして感動を呼ぶのです。日...

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